曽根崎心中
そして今回ご紹介するのは、江戸時代に実際にあった悲しい恋物語…「曽根崎心中」…聞いたことがありますか?遊女お初と醤油問屋で働く徳兵衛は愛し合います。徳兵衛にはお初を請け出す金はなく、徳兵衛に縁談が持ち上がります。
縁談を断るために叔父から継母に渡された結納金を取り返し、2人で逃げようとします。しかし今度は親友に騙され、その結納金を貸して、その金を親友に返すように言ったところ、そんなお金は借りていない、こいつは嘘つきだ!と民衆の前で罵られます。徳兵衛は死んで無実をはらそうと考え、 二人で心中するのです。
この悲しい心中は、(1703年5月22日)早朝のことでした。お初21歳、徳兵衛25歳。まだ若い2人には死ぬしかなかったのかもしれません。
この話は人形浄瑠璃『曽根崎心中』として講演され、初演はその年(6月20日)の道頓堀にある竹本座での公演でした。しかし、その時の口上によるとそれより早く歌舞伎の演目として公演されており、人々の話題に上った事件であったことがうかがえます。